ICODE 3 SL2S3003/SL2S3003TT データシート

August 18, 2024 1172 コメント

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ICODE 3 HF RFID ICの概要

ICODE 3は、13.56 MHz帯の高度なHF RFIDおよびNFC対応識別システム向けに設計された近傍型ラベルICです。製品ファミリーには、TagTamper非搭載のSL2S3003と、TagTamper搭載のSL2S3003TTがあります。本ページでは、インレイ、ラベル、チケット、タグ、カスタムトランスポンダーの採用を検討する技術者、製品担当者、購買担当者向けに、ICODE 3データシートの要点を分かりやすくまとめています。

ICODE 3は従来のICODEシリーズと比べ、読み取り性能の向上、柔軟なメモリ制御、プライバシー保護機能、産業用途への組み込みやすさを重視して設計されています。ICODE SLIX 2との完全な後方互換性を維持しながら、SELFAdjust、最大212 kbit/sの高速読み取り、設定可能な24ビットカウンター、ASCIIミラー機能、一度設定すると解除できない読み取り専用メモリロック、プログラム可能なオリジナリティ署名などを追加しています。各タグに対して確実な読み取り、履歴管理、不正変更の防止が求められる大量の物品識別に適しています。

データシートの主な仕様

RFインターフェースと読み取り性能

ICODE 3は13.56 MHzで動作し、ISO/IEC 15693近傍型カードプロトコルに準拠しています。リーダーが形成する電磁界から電力を得るため、ICに内蔵電池は必要ありません。適切なアンテナ形状とリーダー設計を組み合わせることで、最大1.5 m幅のゲートに対応する長距離HF運用が可能です。SELFAdjust機構は起動後のRF性能を最適化するため、同一ICを異なるアンテナサイズで使用する場合や、さまざまな素材へ組み込む場合に有効です。

複数のタグが通信範囲内に存在する場合でも、アンチコリジョン機能によってリーダーが個々のラベルを選択できます。これは、タグを1枚ずつ読み取る運用が現実的でない在庫管理、物流、文書管理、物品単位の識別システムで重要です。Fast Read Multiple Blockに対応し、ISO/IEC 15693-3で規定されるデータレートにおいて最大211.88 kbit/sで読み取れるため、広いデータ領域を取得する際の処理時間を短縮できます。

メモリ構成とデータ保護

ICODE 3は、4バイト単位の76ブロックで構成された2432ビットのユーザーアクセス可能なEEPROMメモリを備えています。ブロック0~74はユーザーデータに使用でき、ブロック75は24ビットカウンターとその保護フラグ用に予約されています。データシートには、チップ設定、アクセス管理、AFI、DSFID、EAS、プライバシー、カウンターモードなどを制御する独立したコンフィギュレーションメモリ領域についても記載されています。

製品の真正性確認や保存データへのアクセス制御が必要な用途に向け、ICODE 3は8バイトのUID、32バイトまたは48バイトのプログラム可能なECCベースのオリジナリティ署名、ブロック単位のロック、パスワード保護された読み書き、Destroy、プライバシーモード、EASおよびAFI機能を提供します。プライバシーモードでは、運用方針に応じて本来のUIDを非表示にできます。Destroyコマンドは、正規の認証後にラベルを恒久的に無効化します。

TagTamperとカウンター機能

SL2S3003TTは、現在および保存済みの開封状態を管理できるTagTamper機能を搭載しています。シール、パッケージ、キャップ、ラベル、筐体などが開封されたかどうかをタグから確認する用途に適しています。開封イベントを保存し、アプリケーション側で参照できるため、単なる個体識別にとどまらず、改ざんや開封の痕跡を管理するRFIDシステムを構築できます。

設定可能な24ビットカウンターは、コマンドベースのカウンターまたはNFCカウンターとして動作します。NFCカウンターモードでは、関連する設定条件に従い、NFCリーダーデバイスでラベルをタップした際に値が増加します。消耗品の管理、使用回数の記録、保守履歴、インタラクションの追跡など、パッシブタグで一定回数のイベントを記録したい用途に活用できます。

用途適合性と製品への組み込み

ICODE 3は、製品識別、製品の追跡・トレーサビリティ、偽造・改ざん対策、在庫管理、スマートデバイス用消耗品との通信、モバイル端末との連携などに適しています。RFIDラベル、スマートステッカー、パッケージ用封印ラベル、製品認証タグ、産業用識別ラベル、図書館用ラベル、消耗品管理用インレイなど、多様な形状へ加工できます。

工場やソリューションプロバイダーにとって、ICODE 3の実用的な利点は、HF帯の読み取り距離、データ容量、NFC連携、セキュリティ制御をバランスよく備えている点です。標準的なHFタグでは機能が不足する一方、ISO/IEC 15693互換性、モバイル端末との連携、制御可能なメモリ動作が必要で、UHFが最適ではない用途に適しています。アンテナ設計やパッケージ構造に応じて、資産、小売商品、設備、封印対象品向けのRFIDタグにも組み込めます。

製品設計では、チップの選定だけでなく、アンテナ形状、ボンディング工程、基材、メモリマップ、アクセス用パスワードの設計、リーダーのコマンド対応、最終的な使用環境を総合的に検討する必要があります。ウェハー品は厚さ120 μmの12インチバンプ付きウェハーとして供給され、LAとLB間の標準入力容量は23.5 pFです。SL2S3003TTには、TagTamperを実装するためのDPおよびGNDパッドが追加されています。チケット、ブランド保護、文書フロー、イベント用途では、HF読み取りと制御可能なデータ動作を必要とするRFIDチケットの開発にも同じチップ機能を活用できます。

設計・カスタマイズ時の留意点

ICODE 3を完成品のRFID製品に使用する場合、ICは設計を構成する要素の一つにすぎません。読み取り距離、書き込みの信頼性、NFCタップ時の動作、開封検知、ユーザーエクスペリエンスは、アンテナ調整、材料の積層構成、ダイボンディング、チップの向き、ラベルサイズ、リーダー出力、ソフトウェアのコマンド処理によって左右されます。そのため、データシートだけで判断せず、想定する製品構造や実環境での試験条件と併せて検討することが重要です。

SCIVASでは、目標サイズ、素材、印刷、エンコード、チップ設定、メモリレイアウト、用途に応じたカスタムRFID製品の開発をサポートしています。プライバシーモード、オリジナリティ署名の検証、AFI・EAS保護、TagTamper、カウンター機能を利用するプロジェクトでは、量産前にリーダーの処理フローとエンコード規則を定義することを推奨します。これにより手戻りを抑え、チップ名だけを基準にした製品ではなく、実際の用途に適合するRFID製品を開発できます。

よくある質問

ICODE 3 SL2S3003はどのような用途に使用されますか?

ICODE 3 SL2S3003は、HF帯での長い読み取り距離、信頼性の高いメモリアクセス、高度なデータ保護を必要とするHF RFIDおよびNFC対応の物品識別に使用されます。主な用途は、製品追跡、在庫管理、パッケージ認証、スマート消耗品、文書識別、モバイル端末との連携です。SL2S3003TTはTagTamper機能を追加しており、開封や外部からの干渉を検知する必要がある用途に適しています。

ICODE 3のユーザーメモリ容量はどのくらいですか?

ICODE 3データシートでは、4バイト単位の76ブロックで構成された2432ビットのユーザーアクセス可能なEEPROMメモリが規定されています。ブロック0~74には合計300バイトのユーザーデータを保存でき、ブロック75は24ビットカウンターとその保護フラグ用に予約されています。各種設定やアクセス制御に使用するコンフィギュレーションメモリも備えています。

ICODE 3はISO/IEC 15693システムと互換性がありますか?

はい。ICODE 3は、ISO/IEC 15693のコマンド環境に基づく13.56 MHz近傍型アプリケーション向けに設計されています。必須およびオプションのISO/IEC 15693-3コマンド、アンチコリジョン、読み書き、AFI・DSFID処理、高速読み取りモードに対応しています。ただし、実際のシステム互換性は、使用するリーダーのファームウェアが必要な標準コマンドおよびカスタムコマンドに対応しているかによって異なります。

SL2S3003とSL2S3003TTの違いは何ですか?

SL2S3003は、TagTamperを搭載していない標準仕様のICODE 3です。SL2S3003TTはTagTamper搭載仕様で、開封検知に使用する追加パッドを備えています。一般的なラベルやタグにはSL2S3003が適しており、完成品のRFID製品で開封、破損、改ざんの状態を検知または保存する必要がある場合はSL2S3003TTが適しています。

ICODE 3はNFC連携に使用できますか?

ICODE 3は、ISO/IEC 15693ベースのHF RFID機能と、NFCカウンターモードを含むNFC向け機能を組み合わせています。そのため、スマートフォンやNFCリーダーからタグへアクセスする用途に活用できます。ただし、最終的なNFC動作は、チップ設定、データ形式、アンテナ設計、スマートフォンとの互換性、タグと連携するソフトウェアの仕様によって異なります。

ICODE 3にはどのようなセキュリティ機能がありますか?

ICODE 3は、固有の8バイトUID、プログラム可能なECCベースのオリジナリティ署名、パスワード保護された読み書き、プライバシーモード、保護されたEAS・AFI機能、メモリロック、認証を必要とするDestroyコマンドを備えています。これらの機能は、保存データの保護、不正な書き換えの制限、偽造防止フローの構築、プライバシーに配慮した用途でのラベル応答制御に役立ちます。

ICODE 3搭載RFID製品を生産する前に確認すべき事項は何ですか?

生産前に、チップのバージョン、アンテナサイズ、完成品の素材、目標読み取り距離、メモリマップ、エンコード形式、パスワードポリシー、リーダーのコマンド対応状況、TagTamperまたはカウンター機能の要否を確認してください。最終的な性能はデータシートに記載されたチップ仕様だけでなく、RFID製品全体の構造によって決まるため、試作段階での評価が重要です。

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